「冷暖房が効きにくくなった」「家の中が暑い/寒い」と感じることはありませんか？これは、住宅の断熱性が低下しているサインかもしれません。そんなときにおすすめの対策が「断熱リフォーム」です。適切な断熱リフォームを行えば、”夏は涼しく冬は暖かい”快適な家を叶えるのも夢ではありません。今回は、断熱リフォームの種類や費用相場、補助金について詳しく解説します。

断熱リフォームとは

断熱リフォームとは、住宅の断熱性をアップする工事のことです。

断熱性は外気の熱を遮断する働きのこと。住まいの断熱性が下がると熱が出入りしやすくなるため、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けやすくなります。

また、断熱性が下がると暖房を入れている部屋とほかの部屋の温度差が激しくなり、トイレや浴室への移動時にヒートショックを起こしてしまう危険性もあります。

ヒートショックとは急激な温度変化によって心臓や血管に異常をきたすことで、特に高齢の方に起こりやすい疾患です。

快適かつ健康に過ごすためにも、家の断熱性に不安を感じている方は早めに断熱リフォームを検討しましょう。

断熱リフォームの種類

断熱リフォームにはさまざまな種類があり、住宅によって必要な工事が異なります。

ここから、主な断熱リフォームの種類について解説していきます。

窓の断熱リフォーム

断熱リフォームを考える上で、まず見直したいのが窓です。寒い季節に外へ逃げてしまう熱の50〜60％は窓からといわれているからです。

窓の断熱性が低いと室内の寒さや暑さが厳しくなるのはもちろん、外気で窓が冷やされることにより結露も発生しやすくなります。結露はカビの原因にもなるので早めに対策しましょう。

窓の断熱リフォームは、主に「ガラス交換」「内窓の設置」の2種類です。

それぞれの特徴を解説していきます。

ガラス交換

ガラス交換は、窓枠は残したまま、ガラスを断熱性の高いものに交換する方法です。

ガラス交換で断熱性を上げる場合、窓が1枚の「シングルガラス」から「ペアガラス（複層ガラス）」への交換が一般的です。

ペアガラスはガラスを2枚重ねたもので、中間層に乾燥空気や特殊なガスを封入したものが主流です。中間層で空気の流れを発生させることにより、熱の出入りを防ぐことができます。

またペアガラスには、中間層を真空状態にした「真空ガラス」もあります。真空ガラスは熱の移動自体ができなくなるため、空気やガスを封入したペアガラスと比べて約2倍もの断熱性があるといわれています。

築20年以上の住宅は窓がシングルガラスになっている場合がほとんどなので、早めにペアガラスへの交換を検討しましょう。

内窓（インナーサッシ）の設置

内窓とは、既存の窓の内側に設置する窓のことです。既存の窓と新しい窓の間に空気層が生まれることにより、断熱効果を高めることができます。

また窓が2枚になることで、断熱性だけでなく防音性や防犯面でも優れた効果を発揮します。

ただし、窓の種類によっては内窓が設置できない場合もあります。例えば、内側に窓を倒して開けるタイプの「内倒し窓」は、内窓を取り付けるとぶつかってしまうため設置できません。

まずはリフォーム業者に現地調査を行ってもらい、窓のタイプに合った断熱リフォームを提案してもらいましょう。

内壁の断熱リフォーム

内壁の断熱リフォームは、内壁に繊維系や発泡プラスチック系の断熱材を入れることで住宅の断熱性を上げる方法です。

内壁を解体して柱と柱の間に断熱材を入れる方法が一般的ですが、近年では断熱材の入った壁材を内側に張り付けるだけの手軽なリフォーム方法もあります。

内壁の断熱材は、隙間なく設置しないと壁の内部が結露したり湿気がこもってしまう恐れがあります。

このような事態を防ぐためにも、断熱リフォームに実績があり、かつ高い技術や専門知識を持ったリフォーム業者を選ぶことが大切です。

外壁の断熱リフォーム

外壁の断熱リフォームは、外壁をはがして内部の柱の上に板状の断熱材を張り付けていく方法です。外壁表面のみの工事なので、基本的に住みながらのリフォームが可能です。

住宅の外側から断熱することで壁の内部が室内温度と近くなるため、内部構造に結露が発生しにくいメリットがあります。

また、柱と柱の間に断熱材を入れていく内壁の断熱と比べて施工が簡単なため、断熱材に隙間ができにくい点も安心です。

屋根の断熱リフォーム

屋根の断熱リフォームは大きく分けて「外側を断熱する方法」と、「内側から断熱材を張る方法」の2種類があります。

外側から断熱する方法は、屋根の垂木（構造に使われる木材）の上に断熱材を施工する方法です。内側からの断熱方法は、屋根の裏側から垂木の間に断熱材を充填します。

屋根の断熱は、屋根裏をロフトとして活用したい方にもおすすめです。屋根裏に熱がこもりにくくなり、夏もロフトを快適に利用できるからです。

天井の断熱リフォーム

天井の断熱は、天井の裏に断熱材を敷き詰めていく方法です。昔は、断熱といえば天井というほど主流となっていた断熱方法です。

天井の裏側に当たる屋根裏の床に断熱材を敷き詰めていくだけなので、屋根の裏側に断熱材を貼るより簡単に施工できて費用も安いメリットがあります。

ただし天井の断熱は、屋根裏に熱がこもりやすくなり結露が発生してしまうリスクもあります。また屋根裏の温度が上がりすぎると、輻射熱（ふくしゃねつ）によって2階の温度まで上がってしまうケースも。

この対策として一般的なのが、小屋裏に換気口を設置して空気の流れを作る方法です。断熱によるデメリットを理解した上で、このような対策を適切に行ってくれる業者を選びましょう。

断熱リフォームの費用相場

断熱リフォームにかかる費用は「施工費用＋材料費用」の合計金額となります。

例えば、100㎡程度の平均的な戸建て住宅で断熱リフォームを行った場合の費用相場は以下のようになります。

費用は使用する断熱材などの種類によっても変わってきますが、一般的に施工箇所の面積が大きいほど費用が高くなる傾向にあります。

よく使用する部屋のみ断熱リフォームを行うだけでも快適に暮らしやすくなるので、予算と相談しながらリフォームを検討してみてくださいね。

納得できる費用でリフォームするためにも複数の業者に見積もりを依頼し、よく比較してみることをおすすめします。

断熱リフォームの平均的な工事期間は？

100㎡程度の住宅における断熱リフォームの平均的な工事期間は以下のようになります。

窓や天井の断熱リフォームは施工が比較的簡単なので工期も短くなります。

一方、外壁や屋根のリフォームは室外で行われるため、天候によって当初より工期が伸びる場合があります。スケジュールに余裕を持って依頼しましょう。

内壁のリフォームは作業が細かく、長ければ1ヶ月程度かかる場合があります。工事内容によっては住みながらの施工も可能ですが、工事音やホコリが気になる方は工事中の仮住まいを探しておくと安心です。

断熱リフォームのおすすめ時期

断熱リフォームを行う時期は4・5月、または9・10月あたりがおすすめです。春または秋にリフォームを済ませておけば、快適な夏や冬を迎えられるからです。

3月も適した時期ではありますが、年度末なので依頼が集中し希望通りの日に工事ができない場合があります。リフォーム業者は繁忙期となるため、料金も高くなっている可能性が高いでしょう。

梅雨時期である6月も、雨の影響で工期が延びたり材料が濡れてしまったりするリスクがあるためおすすめできません。

しかし、このような理由から梅雨はリフォーム依頼が少ないため、料金を安く設定している業者もあります。料金をとにかく安く抑えたいという方は、あえて梅雨時期を選ぶのもひとつの手です。

注意点として、どの時期であっても多くの場合は申し込んですぐに工事とはいきません。日数に余裕を持って申し込みましょう。

断熱リフォームの補助金について

公益財団法人である北海道環境財団は、「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」を実施しています。

この事業により、一定の条件を満たせば断熱リフォームにかかった費用の3分の1の補助金を受け取ることができます（上限120万円）。

補助金を受け取るには、決められた公募時期に申請をしなければなりません。

ちなみに、令和4年の公募時期は下記の3つの期間となっています。

・3月14日〜6月3日（終了）
・6月17日〜8月10日（終了）
・9月12日〜11月18日（受付中）

※令和4年9月現在の情報です。

予算が上限に達すると受付終了となる場合があるので早めに申請しましょう。

住宅やリフォーム箇所によって補助金を受けられる要件は異なります。また補助金を受けるためには、断熱材や窓ガラスなどは補助金の対象として指定されている製品を使用する必要があります。

補助対象製品の一覧や補助金を受けるための要件などについては、北海道環境財団のホームページからチェックしてみてください。

断熱リフォームは太陽リビングにおまかせください！

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