畳とフローリングどちらを選ぶ!?違いやメリット・デメリットを解説
新築やリフォームを検討している方の中には、部屋を畳かフローリングにするか悩まれている方も多いかもしれません。
新築であれば畳の部屋とフローリングの部屋はどこにするのか。
リフォームであれば、畳からフローリングまたはその逆といったかたちで悩まれているのではないでしょうか。
本記事では、畳とフローリングの違いをまとめました。
費用やメリット・デメリットを解説しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
畳とフローリングについて
畳とフローリングについて基本的な内容を下記にまとめました。
- 畳とは?
- フローリングとは?
それぞれ解説します。
畳とは?
畳とはイグサを使用して作られる床材です。
その歴史は平安時代にまで遡ることができる日本で発達した床材であり、江戸時代頃から庶民に広まっていったと考えられています。
畳は主に下記3つの部位で構成されています。
- 畳表
- 畳縁
- 畳床
畳表は畳の表面部分で、ゴザに当たる部分です。
畳縁は畳の側面に位置する部位で一般的に布地が使用され保護の役割を持ちます。畳床は畳の芯部分に当たり、踏んだ時の弾力に関連します。
畳の品質を決める重要な部分とされており、どのように作られているかで品質や用途に違いが見られます。
上記でお伝えしたように畳は一般的にイグサで作られていますが、パルプ、化学繊維など耐久性を考慮した素材も多く見られるようになりました。
また、畳床に使用される素材の違い、爽やかなグリーンだけではないカラフルな畳も存在するなど、畳も時代に合わせた進化を遂げています。
フローリングとは?
フローリングは、木質材料で作られた床材の総称です。
そのためフローリングと一口に言っても木質材料や組み合わせ、色などによって部屋の雰囲気を変化させることができるのが特徴になります。
洗面所などで木質風の柔らかな踏み心地の床材が使用されていることがありますが、フローリングではなく合成樹脂性の「フロアタイル」といった場合がほとんどです。
そのためフローリングは、“木質材料をベースにした床材”と考えておくと理解しやすいでしょう。
フローリングには主に下記の種類があります。
- 単層タイプ
- 複合タイプ
- 特殊加工タイプ
単層タイプとは、天然木を使用する無垢材のみで構成されたフローリング、複合タイプは合板に木材を張り合わせたもので複合フローリングと呼ばれています。
特殊加工タイプは化粧シートなどを使用したものです。
上記フローリングの中で、さらに防汚対策や防音、木質グレードによっても価格に違いがあらわれます。
どの素材、どういった機能を持つフローリングにするのかが選ぶ際のポイントになるでしょう。
畳とフローリングの違い
畳とフローリングは、素材や構造に違いがある床材です。
機能面などにおける違いをメリット・デメリットを挙げながら下記で解説していきましょう。
畳のメリット
畳のメリットを下記の内容にまとめました。
- 断熱性や調湿性能が高い
- リラックス効果が高い
- 機能性重視の畳もある
それぞれ解説します。
断熱性や調湿性能が高い
畳は一般的にイグサを原料としており、畳表はイグサの茎が使用されています。
イグサの茎は空気が多く含まれており、夏は涼しく冬は暖かくといった保温・断熱性が高いところが特徴です。
また、イグサは湿気を取り込むだけでなく、乾燥する際に放出機能があるため調湿性能があるところもメリットでしょう。
リラックス効果が高い
イグサは森の中にいるようなリラックした香り成分を放出するため、畳の部屋はリラックス効果が高いことで知られています。
また、バニラ様の香りを放つ成分も含まれているなど、リラックス効果のある香り成分を豊富に含んでいるところも魅力です。
機能性重視の畳もある
近年、従来のようなイグサ製の畳ではなく、樹脂や和紙、合成素材などで作られた機能性重視の畳が増えています。
ダニやカビの発生を防ぐ、汚れを拭き取りやすい撥水性に優れたもの、カラーバリエーションも豊富です。
イグサの持つメリットはないものの、畳の雰囲気を機能的に取り入れることができます。
畳のデメリット
畳のデメリットを下記の内容にまとめました。
- メンテナンスに手間がかかる
- 場所や住宅デザインが限られる
それぞれ解説します。
メンテナンスに手間がかかる
畳のデメリットは、メンテナンスに手間がかかるところです。
隙間に入ったゴミの掃除などを怠ると、カビやダニが繁殖する恐れがあります。
そのため、掃除機だけでなく雑巾掛けなどもこまめにする必要があるでしょう。
毎日のように空気を入れ替えることや、傷みが気になる時は裏返し・表替えなども必要です。
そのため、日々畳のメンテナンスができる環境ではない方は、品質維持が難しくなってしまうでしょう。
場所や住宅デザインが限られる
畳はへこんでしまうため、重たい家具を長期間置きっぱなしにする部屋には適しません。
また、日焼けを防止する観点から直射日光の当たらない部屋であることも必然となります。
さまざまなデザインが出ているとはいえ、現代的なデザインの住宅には合わない場合も多く、それを合わせるための高いデザインスキルが必要になってしまうところもデメリットでしょう。
フローリングのメリット
フローリングのメリットを下記にまとめました。
- 手入れがしやすい
- 場所を選ばず自由度が高い
- デザイン重視で楽しめる
それぞれ解説します。
手入れがしやすい
フローリング最大のメリットは、手入れがしやすいといったところにあります。
何らかのトラブルや意図的に傷つけない限り、日頃の掃除機での掃除、簡単な水拭きで汚れが落ちるため衛生的です。
また、ダニが発生しにくいなど衛生面でも優れています。
場所を選ばず自由度が高い
フローリングは耐久性のある木質材料が使用されているため、重たい家具や家電を置いても問題ありません。
さらに色やデザインも豊富であり、現代の住宅デザインにも馴染むためどの部屋にも使用しやすいところはメリットでしょう。
フローリングの上にラグを敷くこともできるなど、自由度の高さはメリットです。
デザイン重視で楽しめる
フローリングは木質材料であり、その種類もさまざまです。
カフェ風やホテル風、さらに素朴な雰囲気など、デザイン重視で部屋の雰囲気を変化できます。
フローリングのデメリット
フローリングのデメリットを下記にまとめました。
- 足が冷える
- 足が疲れやすくなる
- キズや水分に弱い
それぞれ解説します。
足が冷える・疲れやすくなる
フローリングは木質材料であるためクッション性がなく、足が疲れやすくなるのがデメリットです。
硬いため、寝転ぶにも適していませんし、冷えやすい素材が多いため冬場に足元から強い冷えを感じてしまうデメリットがあります。
キズや水分に弱い
フローリングは耐久性があるものの、キズつきやすく修復も難しいといったデメリットがあります。
また、とくに注意したいのが水分に弱いといったところです。
すぐに水分を拭き取れば問題ありませんが、長期間水に触れていると木質材料が水を吸収し、膨張または変色の恐れがあるので注意しましょう。
湿度の高い、湿気が溜まるような部屋や物件にはあまり適しません。
畳とフローリングで迷った際のポイント
畳かフローリングが迷った際、下記のポイントを確認して決めましょう。
- メンテナンス
- どの部屋に設置するか
- 価格で選ぶ
- ライフスタイルに合うか
畳はフローリングと比較するとメンテナンスに手間がかかります。
メンテナンスはできるだけ手間をかけたくない、メンテナンスが苦にならない、ご自身がどういったタイプなのかで判断しましょう。
また畳、フローリング共に耐久性やデザイン性、機能に違いがあります。
どの部屋に設置するのか、その部屋に合うのはどちらなのか比較検討した上で決定しましょう。
また畳からフローリング、その逆の場合の費用相場も確認しておきましょう。
床材 | リフォーム価格相場 |
畳からフローリング | 6~8畳 20~40万円以上 |
フローリングから畳 | 6~8畳 13万円~ |
費用は撤去費用や新しい畳やフローリング素材、廃材処理などが含まれています。
規模、素材によっても変わってくるため価格についても比較しておきましょう。
そして何より、ライフスタイルに合わせられるかがポイントです。
畳の優しいクッション性と癒しの香り、ゴロゴロしたいといった方もいれば、スタイリッシュでホテルライクな雰囲気にしたいといった方もいるでしょう。
ペットがいるかいないか、小さなお子さまがいらっしゃるか、ご年配の方はいるかによっても変わります。
ご自身のライフスタイルと照らし合わせた上で、畳かフローリングなのかを考えてみてください。
まとめ
畳もフローリングもメリット・デメリットがある床材です。
長期的に住まう場所の床材なので、ご自身の生活にも影響を与えます。
畳のメリット・デメリット、フローリングのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で設置する床材を決めるようにしましょう。